今週から東京ゲームショウ2016が幕張メッセで開幕している。
※2016/9/15(木)〜2016/9/18(日)。前半2日はビジネスデイ、後半2日は一般公開。
年々、注目度が高まり盛り上がりを増しているが、今年も来場者が非常に多かった。
※下記は一般公開初日の9/17(土)11:00頃の会場前の入場待ちの行列の様子。
※この手のイベントではTwitterでイベント名(「東京ゲームショウ」)をリアルタイム検索して、当日に会場周辺の混み具合を確かめることをお勧めする。
※入場チケットの列がそもそも長蛇の列なので、前日までにチケットぴあなどで前売り券を買っておくことが理想。
すでにいくつものメディアが「今年のゲームショウはVRだ!」とレポートしている通り、
確かにどこのブースを見ても、VRが目立った。
VR体験自体はイベントなどでの体験機会が増えており、一定のアーリーアダプターはすでにVR体験済みと思われるが、
まだまだ体験コーナーは長蛇の列、体験整理券は開場早々に終了となるブースもあったようだ。
※ちなみに、VRコーナーは、周りの人も盛り上がれるよう、(VRで見える映像などを)モニターで投影しているブースが多かった。
さて、そんななか、Hall9の奥には、VRと連動した、実験的なインタラクティブコーナーがあった。
H2L社の、UnlimitedHandは、腕に巻くことで、指の動きに連動した筋電位を検出するVRコントローラーである。
腕の位置、動きを加速度センサと筋電位で感知し、もしVR中の物体に触れた(と判定された)ら、
腕に刺激を与えることで、VR中の物体の触感もフィードバックできる。
このデバイスはすでに、amazonから購入することもできるようだ。
また、他社のブースでは、ペン型のコントローラーを通して、VR上の物体とインタラクションできるものも展示されていた。
VR映像にあわせて電気刺激を与えて平衡感覚をハックする展示もあった。
大阪大学他の研究室の展示であったが、耳の裏および首のあたりに電気を流すことで、
VRの視覚以上に、体の”揺れ”を体感(錯覚)できるものだ。
実際、ジェットコースターのVR映像でのデモで、”通常のVRのみ”および”VR + 電気刺激あり”を体験したところ、
“VR + 電気刺激あり”では、直立していられないくらいの、”動き・揺れのリアリティ”を感じた。(錯覚する)
上記の展示は、あくまで特別コーナー、という扱いであり、
まだゲームとして実装されているものではないが、
特に触感のフィードバックは(上記のデバイスに限らず)ゲーム機への搭載もそう遠くないと思われる。
一方、電気刺激による感覚ハックは、直近ではゲーム機に反映することは難しいと思われるが、
様々な可能性があると感じさせる。
今回の展示は電気刺激による平衡感覚のハックであったが、
別の事例で、シンガポール大のグループでは、「舌に電気刺激を与えることで味覚を再現するデジタルロリポップ」という興味深いプロジェクトが動いている。
※デジタルロリポッププロジェクトの詳細は『おいしさの人類史』を参照されたい。
つまり、VRという視覚に加え、身体中に電気刺激を与えて脳をだますことで、さらなるリアリティが実現できるのである。
※それには、痛み、も含まれるかもしれない。
そして、こういった電気刺激による(ゲーム)デバイス開発は、もちろん正しく適切な知識を持っている前提かつ、自己責任ではあるが、
RaspberriPiなどのデバイス・開発環境の充実、各種センサ部品が安価になったことなどにより、
インディーズのゲームメーカー、アマチュアのガジェット製作者でもプロトタイピング可能である。
いまや、インディーズのゲームも、スマホゲームだけではなく、VRゲームの時代であり(実際、東京ゲームショウのインディーズコーナーでもVRゲームが見られた)
大企業だけではなく、”ビヨンドVR”していく時代である。
もし電気の知識を正しく学習し、ゲーム・デバイス開発に乗り出していきたい、と思う方がいれば、
オライリーの『Make:Electronics』は第一歩として参考になるかもしれない。
なにせ、帯のコピーは「感電して、部品を吹っ飛ばして自分の手で回路を組んで、「体で覚える」エレクトロニクス」である。
※本当に自己責任