洛中洛外図
洛中洛外図』(狩野永徳・作。1561年頃。wikipediaより)

斎藤道山、今川義元、久保恒久、、。
学校で学んだきりの世界史、日本史の断片的な知識、人名が
ふとしたときに頭に浮かぶが、さて何をした人物か思い出せず混乱することがあり、
定期的に歴史の本を読み返している。

ちなみに冒頭上げた人物であるが、
斎藤道山は、美輪の戦国大名で、僧侶から油商人を経て戦国大名にまでなった人物、
今川義元は、桶狭間の戦いで織田信長に討たれた駿河・遠江の大名、
久保恒久は、私のおじさんでサラリーマンです。

とはいえ、もはや細かい点というよりも、大まかな流れを思い出せればよいですので、
世界史は、『銃、病原菌、鉄』や『21世紀の歴史』など、
日本史は、『逆説の日本史』はじめ井沢元彦さんの本を(ポストイットを貼った箇所を中心に)読み返しています。
※余談ですが、最近はkindleで本を読むことが多いのですが、メモや検索は圧倒的に便利なのですが、
 引用するときに、”何ページに書かれている記述”という”ページ”の概念はなくなりますね、。
 別に問題はないのですが、。

この年末年始に、井沢元彦さんの『日本史集中講義』を読み返して、
これは、現代の(データ)マーケティングにも参考になるのでは、と思った箇所があったので、
備忘録として記させていただきます。
それは、冒頭上げた斎藤道山にも関する、
“「楽市・楽座」と「刀狩」の本当の意味”という章です。

その章で、当時、商品を売る、ということについて3つの利権が存在していたことが述べられています。

まずは、そもそもの「ライセンス」です。
“当時、油を作るにはライセンスが必要”(P.140)で、
“物を作るライセンスは、(〜略〜)日本の場合ほとんどが「寺社」”(P.141)が所有していたという点。

そして、次に「流通」です。
“「商品を市場まで運ぶ」というのが、また大きな問題”(P.161)で、
“街道には関所”(P.161)が多く存在しており、通過するたびに通行料がかかったという点。

そして、最後に「小売、市場」です。
“市場も彼ら(注・寺社)が握っていた”(P.167)という点です。


上記ののち、これを全部撤廃(「楽市・楽座」「関所の撤廃」)するから、
うちの領土に入れ、ということをやったのが織田信長である、ということです。
そして、当時の時代背景から言うと、庶民にしてみれば既得権益に逆らうことは命に関わることですので
何よりも大切なことは、領土に入りレギュレーションを守るならば、
既得権益(の武力)から守ってやる、ということを約束したことです。
(結果、庶民、商人の信任を得たことも一因となり、秀吉の時代を経て、天下統一)


今回は、上記エピソードから“データは誰が所有していくのか”ということを考えていきたいと思います。

現在、いわゆるデータマーケティングというものは、
ユーザの各サービス利用履歴を用いたレコメンドとなるかと思います。
ここでいうデータはもちろん各サービスごとにプラットフォーマーが所有しています。
(ただし、データ保有者とレコメンド者が同一とは限らない。)

ただ、今後、ウェアラブル端末が普及しユーザの生体データも蓄積されていくとき、
そのデータはさすがにユーザ主体で保持されていくのでは、と思います。

しかしそのような状態でもデータマーケティングを諦める必要は無いかと思います。
たとえば、サービス事業者は、データは持たずとも、
“処理”を投げて、非同期にユーザ側でデータに基づいた処理がなされるということも可能なはずです。
※もしユーザの健康状態が”A”ならば”001″を推薦、
 ユーザの健康状態が”B”ならば”002″を推薦、というロジックのみをユーザに送信。
 ユーザは処理を受け取り、自分の健康状態に応じた推薦が(非同期にプラットフォーマー側に返されず)表示
※そこから次の”アクション”にユーザが遷移した結果は、プラットフォーマー側に返す。


さて、もしこのような時代になると、多様なユーザデータを持つ、ということ自体は価値ではなく、
いかに、データを組み合わせた有用なサービスを考えられるか、が価値ということになり
データを現在持っていない人たちも自由にデータ活用事業に参入できることになります。

歴史の教えでは、既得権益つまり現在データを持っているひとたちは、
そのようなやり取りにはさせないでしょうし、さまざまな(時にはそれが適切な)ハードルをもうける、
ということになるかと思いますが、
実際には、以前のポストでも書いた”プレミアムデータ”と”プライベートデータ”というものの
融和になっていくのだろうと思います。
“プレミアムデータ”とは、大企業によるリッチなデータとなり、データの中身が保証されているもの、
“プライベートデータ”とは、個人個人が保有するデータとなり、データの中身はサービス事業者側には開示されないもの。
これらを組み合わせてマーケティングしていく形もあるのではないでしょうか。
※ちなみに本ポストでは、理解の都合上、既得権益、と表現しておりますが、
 得てして既得権益というとマイナスのイメージがありますが、
 本ポストの文脈的に必ずしもマイナスの意図とは限りません。

本で感じたことのまとめとしては、
“自分が今、どのような既得権益構造の中で生きているのか”
“その構造は本当に従うべきなのか、代替手段はどのようなことがあるのか”
“その構造をかえたとき、どのような価値の転換がおこるか(何を保持していることが価値か、価値ではなくなるか)”
ということです。

なお、斎藤道山が気になる方は、司馬遼太郎さんの『国盗り物語』を読むのもオススメです。
久保恒久が気になる方は、私のおじさんでサラリーマンですので、そっとしておいてください。。
※偽名ですが、。