AI、ビッグデータ、無人運転、無人店舗、ドローン、ロボット、
情報銀行に、個人データ売買…。
上記トピックの最新動向や、裏で動くテクノロジー、活用ソリューションをどこまで理解できているだろうか。
IT業界は日々新しいテクノロジーやサービスが産まれるが、
その最新動向を一度にまとめて体感し、理解することができるアジア最大級のイベント、それがCEATECだ。
今回は、これから行かれる方、あるいは、行きそびれた方に向けて、
重要なポイントに絞って見どころを紹介していく。


| CEATEC JAPAN 2018


期間:2018年10月16日(火)〜10月19日(金)
場所:幕張メッセ




| 今年のテーマは”無人都市”


CEATECは、もともと家電見本市の色が強かったが、
近年ではテクノロジーやソリューションにおける実社会の応用としての
デモンストレーションが多くなったように思い、
そのため、毎年、その時々の時流を反映した展示が多くなる。
たとえば、昨年では、無人運転に関するデモが多かった。

今年のテーマは何か。それは、無人店舗に代表される”無人都市”のように思う。
無人店舗のデモはもちろん、そこで必要となる、
“スマート認証”や”画像解析”、
さらには人間の代わりに人間以上に、家、店舗、
そして農場などで活躍する”ロボット”などの展示が多かった。
下記では実際の展示を交えて詳細に見ていく。





| amazon GOのようなカメラ型だけではない多様な無人店舗ソリューション


まずは一際人が多く集まっていたローソンの展示を紹介する。



こちらは、いわゆるamazon GOや、現在日本でも、JRなどで実証実験が行われている、
天井カメラを用いた画像解析タイプのものではなく、RFID(とQRコード)を用いた展示となる。
ただし、ユーザ体験としては、amazon GOとほぼ同様である。
スマホアプリを立ち上げてQRコードを認識させて入店したら、
あとはRFIDが貼られた商品を袋に入れてゲートを出れば、自動で決済される。
商品に貼り付けられるRFIDはバーコード程度の大きさであり、
その貼り付け作業はロボットが自動で行う。

無人店舗ソリューションとしてカメラ型が注目されがちだが、
今後、カメラ型が主流になるか、RFID型が主流になるかは、
はたまた併用されるのか、精度とコスト次第だが、どちらも動向を追っていきたい。

なお、あくまでローソンとしては、
「これまでと同様の「有人レジ」とあわせて」サービスを行うという世界観のようだ。


カメラ、RFID型以外のソリューションとして、OriginWireless・村田製作所による、
WiFiを用いた屋内トラッキングの展示も見ておきたい。




WiFiの電波の反射変化から屋内の複数のポイントの位置情報や環境変化を計測するデモが行われていた。
OriginWirelessの担当者いわく、このようなソリューションは、
プライバシーに配慮される必要がある場所(ホテルやトイレなど)、暗所などにおいて、
カメラによる画像解析の代替ソリューションとして活用できるとのことだ。

ちなみに、カメラ型・RFID型・QRコード型ソリューションを組み合わせた無人店舗ソリューションを、
店舗デモは見れないものの、ビデオやボードで詳しく解説されているのが、オプティムのブースだ。
モノタロウAIストアの実証実験などの話も聞けるため、あわせて参照しておきたい。







| 無人店舗を支える決済ソリューション。生体データによりスマホすら不要に


上記の展示では、決済のために、事前にクレジットカード情報を登録したスマホアプリを用いて、
入店時にQRコードを認証させることが必要だ。
では、未来の店舗において、スマホを忘れたら、あるいはスマホの充電が切れたらどうなるのだろうか。
現在、スマホすら持ち歩かなくても、決済(個人認証)可能な研究が各種行われている。

富士通のブースでは、顔認証と静脈データを用いて個人認証を行い、決済を行うデモが展示されている。
これまでも同様の技術は発表されていたが、精度が格段に上がったとのことだ。





KDDIのブースでは、顔認証と手のひら認証による決済のデモが見られる。
こちらは、先ほどのものとは異なり、手のひらの生命線など画像的な解析を用いるため、
特別なセンサは不要でカメラのみで認証することができる上に、
ユーザ目線ではタッチレスで認証を行うことができる、というメリットがある。







| 無人環境では人間の代わりにロボットがスマートに働く


無人になるのは、店舗に限らない。様々な現場から人間が不要になる。
代わりにロボットがスマートに働く。例えば、家では、人間の代わりに掃除どころか片付けをしてくれる。
Preferred Networksのブースでは、ロボットが物体を認識して、自動で片付けをしてくれるデモが展示されている。
片付けをするためには、単に物体を検知するだけではなく、どこを持つことが必要か、
など様々な認識・動作が要求される。デモではロボットによる一連の動作がスムーズに実演されており、人が賑わっていた。




なお、この技術は、片付けのみならず、物体認識により、部屋の中のものを検索することも可能となる。
デモでは、音声で、「〜〜を探して」とロボットに問いかけると、場所を教えてくれる様子が見れた。




その他、前述のローソンやオプティムのブースなどで、
店舗で働くロボットや、農場で働くロボットなどが展示されているので、あわせて見ておきたい。


| 人間は自分自身のデータが価値になる


ここまで無人店舗はじめ、無人都市で活躍するテクノロジーを紹介してきたが、
その裏で動作するAIの精度向上のためには、より多くの”人間”の教師データが必要になる。
そこで、どれだけより多くの人間の様々なデータを収集できるかが鍵となる。

三菱UFJ信託銀行のブースでは、”自分自身の個人データを売ることができるプラットフォーム”のデモが行われていた。
そこでは、自分の歩行履歴などのデータを、自分が選択したサービスに売ることで、
対価を得られるというビジョンが描かれており、おそらく、遠くない未来に実現するだろう。







| オルタナティブを示すテクノロジーで未来都市を体感する


これらのテクノロジーや、CEATECで展示されているものが、全てこの先、実社会に投入されるとは限らない。
過去、CEATECを賑わせた3Dテレビは、今年は1つも展示されていなかった。
しかし、テクノロジーにより投げかけられる、”こういう未来が実現されたら、あなたはどのように生きていきたいですか”という問いを
いち早く体感し、考えることは、仮にそのテクノロジーが日の目を見なかったとしても役に立つだろう。
時間があれば是非CEATECで実際に体験してみてほしい。
今から来年のCEATECが楽しみだ。